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トンスル/2018

テイスティング内容
甘い要素が削ぎ落とされたビターで張りのある香り。柑橘と石灰が溶け合ったミネラリーなニュアンス。火山性土壌の個性を余すことなく感じる事ができる洗練されたアロマです。
研ぎ澄まされた特有の果実味。ドライで酸味とタンニンと共に旨味を噛みしめられるようなたっぷりのミネラルを感じる存在感のある味わい。 口の中での存在感とは逆に身体に対しては沁み渡るような優しさも感じられます。

ワイナリー詳細
プランツェックは3代目マルティン・ゴイヤーが当主を務める小さなワイナリー。ボルツァーノの町からほど近く、イザルコやドロミテに向かう道の入り口に畑とカンティーナを構えます。今から約80年前、第一次〜第二次世界大戦の間の時期に祖母がこの地で”マーゾ”と呼ばれる住宅と農地セットの土地を購入します。このマーゾは組合によって管理されており、基本的には購入した家系の長男が必ず受け継ぐ(現在は少し緩和)というアルト・アディジェの特殊性を感じさせるシステムです。マルティンの家系は葡萄畑だけではなく、牛などの家畜、森、野菜、果物を含めて管理し、自給自足の生活を40年程送っていました。アルト・アディジェは組合が非常に強い力をもっており、栽培されたブドウのおよそ70%は組合が買い取りワインにされています。マルティンの家族もぶどうを販売していました。1970年頃からマーゾの状況も変わっていきます。土地を手放し街に仕事を求めて出ていく人々が増えました。家畜達は失われ、葡萄畑だけが残りました。この頃は葡萄が安くしか買い取られない状況でした。そのため葡萄を安く組合に売るのではなく、自らワイン醸造を行う生産者が少しずつ増えてきたのです。

ブランツェックでは2001年からマルティンが小規模でワインの醸造を始めました。当初は酵母やバリックを使用する近代的なワインに傾倒していましたが、畑は父の代から無農薬で栽培され続けていました。ある時友人がナチュラルなワインを造っているのを聞きマルティンは興味を抱きます。少しずつナチュラルな醸造を試み、2009年には自然酵母発酵とセレクション酵母に醸造を分けて行いワインの比較をすることにしました。答えは醸造から10ヶ月後に解りました。自然酵母のワインの方がよりテロワールを表現できると確信。それから2010年以降は全てのワインを自然酵母発酵で行うようになり、畑ではビオロジック、ビオディナミも取り入れ始めます。自分たちの進む道をさらに明確にするために、今まで以上に他のナチュラルな生産者、そして伝統的な造り手を訪問してワインを学んで行きました。彼らの来客室にはたくさんの偉大な生産者達のボトルが並んでいます。これらの多くを訪問して刺激を受けてきたそうです。
マルティンはワイン造りにおいて最も重要なことは畑だと言います。彼らの畑は大きく分けて2箇所にあり、一つはカンティーナの目の前にある標高300mの北西向きの畑。もう一つは標高700m近い南東むきの畑です。斑岩地質であり活火山だった頃のマグマが固まってできた火成岩(玄武岩、花コウ岩)を多く含みます。粘土も混ざっていますが水捌けが良く、標高が高い畑では粘土質がより強くなります。栽培品種は伝統的なスキアーヴァやラグレイン、ピノ・ビアンコに加えてマルティンがまだ近代的なワインを目指していた時の名残でソーヴィニヨン、シャルドネ、メルローなどの国際品種が現在も栽培されています。祖母の代から引き継いだベルゴラ仕立て、新しく仕立てた日当たりの良いスパリエーラが混在しています。ブランツェックの全ての畑は森に隣接しており野鳥も多く生息しています。森は葡萄に違う植物が近くにあることで刺激と自然な涼しさをもたらしてくれます。アルトアディジェ特有の厳しい急傾斜で栽培されておりますが、その作業をマルティンは土地の伝統と潔く受け入れ、父の代から続くナチュラルで誠実な仕事を継続しています。

彼のカンティーナでワインを初めてテイスティングしたときは本当に衝撃でした!クールで淡々と話すマルティンは試飲の時もそのペースを崩しませんでしたが、最初の白ワイン”トンスル”を飲んだ時からこちらは興奮を隠せませんでした。果実の甘いニュアンスを削ぎ落としたかのようなタイトで引き締まった香りと味わい、その味わいの広がりや余韻の延びる特有のエネルギーの表現がとにかく素晴らしかったのです。もちろん畑を見て会話をしている時から期待は高まっていましたが、これほどまでに研ぎ澄まされた質感のワインはアルト・アディジェではもちろん、これまでのイタリアでの旅の中でも出会ったことがありませんでした。この質感はその後飲んだ全てのワインに共通して表現されていました。ゲヴェルツトラミネールの”カロリーネ”はとてつもないスケールを放ち、赤ワインのスキアーヴァを用いた”レッジェーロ”と”カンビル"は華やかさと堅実さを見事に表現しています。これがスキアーヴァの理想像なのではないか?とすら思いました。
マルティンは自身のワインについて「僕は魔法使いではない。全ては畑から生まれているんだ」とクールに落ち着いて語りました。ですが、畑、醸造での自然で健全な仕事を行い、それぞれの畑と樹の個性をしっかりと見極めワインに導いているのは彼なのです。若い畑のエネルギーがまだ溌刺とした葡萄はその若さを活かした方向に、樹齢が高い畑の活力は弱まってきているが複雑味が増し円熟してきた葡萄は果皮も長く取り入れるなどアプローチをしっかりと変えています。ナチュラルな仕事だけではなく、畑とワインを結びつけた彼自身のセンスがこの地で特別に輝くワインを生み出した大きな理由になっていると感じました。
クールに見えるが毅然とした強い意志と類まれなセンスを感じるマルティンと彼の極上のワインにすっかり魅了され輸入を行う決心をしました。アルト・アディジェの真の力を世界に知らしめるスケールのあるワインに衝撃を受けるでしょう。プランツェックは3代目マルティン・ゴイヤーが当主を務める小さなワイナリー。ボルツァーノの町からほど近く、イザルコやドロミテに向かう道の入り口に畑とカンティーナを構えます。今から約80年前、第一次〜第二次世界大戦の間の時期に祖母がこの地で”マーゾ”と呼ばれる住宅と農地セットの土地を購入します。このマーゾは組合によって管理されており、基本的には購入した家系の長男が必ず受け継ぐ(現在は少し緩和)というアルト・アディジェの特殊性を感じさせるシステムです。マルティンの家系は葡萄畑だけではなく、牛などの家畜、森、野菜、果物を含めて管理し、自給自足の生活を40年程送っていました。アルト・アディジェは組合が非常に強い力をもっており、栽培されたブドウのおよそ70%は組合が買い取りワインにされています。マルティンの家族もぶどうを販売していました。1970年頃からマーゾの状況も変わっていきます。土地を手放し街に仕事を求めて出ていく人々が増えました。家畜達は失われ、葡萄畑だけが残りました。この頃は葡萄が安くしか買い取られない状況でした。そのため葡萄を安く組合に売るのではなく、自らワイン醸造を行う生産者が少しずつ増えてきたのです。

ブランツェックでは2001年からマルティンが小規模でワインの醸造を始めました。当初は酵母やバリックを使用する近代的なワインに傾倒していましたが、畑は父の代から無農薬で栽培され続けていました。ある時友人がナチュラルなワインを造っているのを聞きマルティンは興味を抱きます。少しずつナチュラルな醸造を試み、2009年には自然酵母発酵とセレクション酵母に醸造を分けて行いワインの比較をすることにしました。答えは醸造から10ヶ月後に解りました。自然酵母のワインの方がよりテロワールを表現できると確信。それから2010年以降は全てのワインを自然酵母発酵で行うようになり、畑ではビオロジック、ビオディナミも取り入れ始めます。自分たちの進む道をさらに明確にするために、今まで以上に他のナチュラルな生産者、そして伝統的な造り手を訪問してワインを学んで行きました。彼らの来客室にはたくさんの偉大な生産者達のボトルが並んでいます。これらの多くを訪問して刺激を受けてきたそうです。
マルティンはワイン造りにおいて最も重要なことは畑だと言います。彼らの畑は大きく分けて2箇所にあり、一つはカンティーナの目の前にある標高300mの北西向きの畑。もう一つは標高700m近い南東むきの畑です。斑岩地質であり活火山だった頃のマグマが固まってできた火成岩(玄武岩、花コウ岩)を多く含みます。粘土も混ざっていますが水捌けが良く、標高が高い畑では粘土質がより強くなります。栽培品種は伝統的なスキアーヴァやラグレイン、ピノ・ビアンコに加えてマルティンがまだ近代的なワインを目指していた時の名残でソーヴィニヨン、シャルドネ、メルローなどの国際品種が現在も栽培されています。祖母の代から引き継いだベルゴラ仕立て、新しく仕立てた日当たりの良いスパリエーラが混在しています。ブランツェックの全ての畑は森に隣接しており野鳥も多く生息しています。森は葡萄に違う植物が近くにあることで刺激と自然な涼しさをもたらしてくれます。アルトアディジェ特有の厳しい急傾斜で栽培されておりますが、その作業をマルティンは土地の伝統と潔く受け入れ、父の代から続くナチュラルで誠実な仕事を継続しています。

彼のカンティーナでワインを初めてテイスティングしたときは本当に衝撃でした!クールで淡々と話すマルティンは試飲の時もそのペースを崩しませんでしたが、最初の白ワイン”トンスル”を飲んだ時からこちらは興奮を隠せませんでした。果実の甘いニュアンスを削ぎ落としたかのようなタイトで引き締まった香りと味わい、その味わいの広がりや余韻の延びる特有のエネルギーの表現がとにかく素晴らしかったのです。もちろん畑を見て会話をしている時から期待は高まっていましたが、これほどまでに研ぎ澄まされた質感のワインはアルト・アディジェではもちろん、これまでのイタリアでの旅の中でも出会ったことがありませんでした。この質感はその後飲んだ全てのワインに共通して表現されていました。ゲヴェルツトラミネールの”カロリーネ”はとてつもないスケールを放ち、赤ワインのスキアーヴァを用いた”レッジェーロ”と”カンビル"は華やかさと堅実さを見事に表現しています。これがスキアーヴァの理想像なのではないか?とすら思いました。
マルティンは自身のワインについて「僕は魔法使いではない。全ては畑から生まれているんだ」とクールに落ち着いて語りました。ですが、畑、醸造での自然で健全な仕事を行い、それぞれの畑と樹の個性をしっかりと見極めワインに導いているのは彼なのです。若い畑のエネルギーがまだ溌刺とした葡萄はその若さを活かした方向に、樹齢が高い畑の活力は弱まってきているが複雑味が増し円熟してきた葡萄は果皮も長く取り入れるなどアプローチをしっかりと変えています。ナチュラルな仕事だけではなく、畑とワインを結びつけた彼自身のセンスがこの地で特別に輝くワインを生み出した大きな理由になっていると感じました。
クールに見えるが毅然とした強い意志と類まれなセンスを感じるマルティンと彼の極上のワインにすっかり魅了され輸入を行う決心をしました。アルト・アディジェの真の力を世界に知らしめるスケールのあるワインに衝撃を受けるでしょう。

こだわり
プランツェックの畑で一番標高が高い葡萄を使用。樹齢は約 29 年。4 品種を同時期に収穫して混醸し ます。2 つのセメントタンクで発酵、1つは皮と梗無し、1 つは一度除梗してからモストに梗を投入し 果皮と共に 12 時間マセラシオン。全体的にソフトプレス。温度管理無しで 8~9 日発酵させます。熟成は半分を大樽、半分は澱と共にセメントタンクで熟成。So2 はボトリング前に極少量の添加。香りも味わいも研ぎ澄まされたようなワイン。

ヴィンテージ 2018
タイ プ
生産国/生産地 イタリア
ワイナリー/生産地域 プランツェック
ブドウ品種 ミュラー・トゥルガウ 50%
ピノ・ビアンコ 20~30%
シャルドネ、シルヴァネール少量
アルコール度数 11.36%
容量 750ml
トンスル/2018
価格|PRICE ¥5,280
購入数: 個|UNIT
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