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コスタ・デッレ・ヴィオレ/2015

テイスティング内容
深く強いアロマがあり、甘いブルーベリーやスミレなどのフレッシュで華やかな香りがグラスから溢れます。
非常に柔らかくスムーズで引っ掛かりの無い飲み口ですが、甘いベリー感がたっぷりな果実味です。ミネラルと旨味要素も程良くあり、繊細な余韻が楽しめます。

ワイナリー詳細
ジョヴァンニ・イヌアッチ

若干30歳のジョバンニ・イアヌッツィ。2012年に始めたばかりのこの若き造り手はカンパーニャ州のグアルディア・サンフラモンディにワイナリーを構え、父から譲り受けた約2haの畑でワインを造っています。
イヌアッツィ家はジョヴァンニの祖父の代からブドウ栽培を行っており、共同組合への販売や、自家消費用ワインとして瓶詰めしていました。そのような中でジョヴァンニは、昔からの伝統を守りつつ、いかにテロワールとブドウの特徴を伝えられるかを念頭に置いたワイン造りを始めました。
海抜200mの立地にあるジョヴァンニの畑は、地中海からの温暖な風と山からの冷たい風が良く通り、ブドウ栽培に適切なミクロクリマを生み出します。土壌は石灰質に粘土質が混じり、豊富なミネラルを備えたブドウが育ちます。
畑での作業は現在はジョヴァンニと父が2人で行います。祖父の代から一切の肥料や農薬は使われず、使用するのは必要最低限の銅と硫黄のみです。
自然なワイン造りはジョヴァンニにとって、祖父の代から受け継がれている当たり前の方法なのです。

彼の畑では3つのブドウ品種が栽培されています。

1つ目はカンパーニャ州を代表するファランギーナ種です。セメントタンクとトノーで自然発酵させ、2日間のマセラシオンを行います。外観はやや濃い目の黄金色をしており、ファランギーナのフルーティーな味わいと土壌の豊富なミネラルをたっぷりと備えています。ドライですが芯のある豊潤な果実味を持っています。

そしてもう一つは最近注目を集めている、バルベーラ・デル・サッニオ種です。このバルベーラは、ピエモンテ州のバルベーラと間違われますが、全く関係の無いブドウ品種です。この地で昔から栽培されていた土着品種で、華やかな香りと飲み心地の良さ、繊細な余韻が評価され、絶滅しかけていたこの品種を栽培する生産者が近年増加してきています。ジョヴァンニのバルベーラはとても柔らかく、喉を滑るような絶妙な質感があり、この品種の個性を十二分に発揮していると言えます。

最後の一つはトレッビアーノ種です。彼のワインの中でもひと際輝いた個性を放つユニークなワインはトレッビアーノ・トスカーナ種から生み出されます。カンパーニャでトレッビアーノという品種はなかなか珍しく思われますが、この地域では昔からトレッビアーノとマルヴァジアが栽培されていました。しかし、現在ではファランギーナやアリアニコの国際的な人気もあり、多くの樹が植え替えられたのです。植え替えをしていないジョヴァンニ達からすれば、土着品種のような感覚でワインを造っています。彼の畑のトレッビアーノにはボトリティス菌が付く年が有り、黄金色の美しい外観と溢れんばかりの香りを放つ素晴らしいワインが生み出されます。
初めてのテイスティングの時に、他のカンパーニャのワインとは明らかに異なる鮮烈な個性とエレガンスに、驚きを隠せませんでした。ボトリティス菌の発生条件には、適度な雨量と昼夜の寒暖の差の大きさ、そしてある程度の湿気が必要となります。しかし彼らの地域ではそれほどに湿気が無い為、この貴腐菌付きのワインを造れるかどうかは、毎年収穫前の時期まで分かりません。今回は本当に少量ですが、このトレッビアーノを分けてもらえたのはとても幸運な事でした。


また、ジョヴァンニのワイン造りでさらに特徴的なのが、唯一生産本数のまとまっているファランギーナ(といっても僅か3000本程度)意外は熟成を「ダミジャーノ」と呼ばれる大きなフラスコ型の容器を使用しています。大体30〜50ℓくらいのサイズがあり、自家消費ワインの発酵、貯蔵や量り売りなどで使用される容器です。イタリアで生活していた事のある方々は馴染みがあるかもしれません。トレッビアーノは発酵&熟成、バルベーラは熟成時に使用しています。生産本数が少ないので大きなタンクを使用しなくても良いという事から、昔ながらのこの容器を使用し続けているそうです。全てのワインは自然発酵、ノンフィルターで清澄作業を行わずに瓶詰めされます。So2の添加はブドウプレス時と瓶詰め時に極少量を添加するだけです。ナチュラルな造りですが、ワイン自体は非常に端正でエレガントな状態に仕上がっています。

カンパーニャらしい華やかで豊潤、そして引き締まった酸味とミネラルがあり、まさに土地の個性を具現化しているような素晴らしいワインです。
まだ30歳と非常に若い生産者であるジョヴァンニですが、彼のワインからは人々の心を惹き付ける確かな魅力を感じます。彼のワインがこれからどうなっていくのか目が離せません。

こだわり
ピエモンテ州のバルベーラではなく、この地で昔から栽培されていた土着品種。ワイン名は街にある道の名前で、「スミレの主派」という意味。このバルベーラ種を用いたワインの香りとイメージから名づけられました。10月下旬に手摘みで収穫され、プラスチック製開放式樽で発酵。マセラシオンは20日間行われ、その後シュール・リー状態のまま、ダミジャーノで6ヶ月間熟成。ボトル詰めの際の清澄作業とフィルタリングは行わずに最低1ヶ月の瓶内熟成後リリース。SO2はプレス後と瓶詰め前に極少量。華やかな香りと独特の余韻が楽しめる飲み心地の良い赤ワインです。

ヴィンテージ 2015
タイ プ
生産国/生産地 イタリア, カンパーニャ州
ワイナリー/生産地域 ジョヴァンニ・イヌアッチ
格付け IGP
ブドウ品種 バルベーラ・デル・サンニオ100%
アルコール度数 12.5%
容量 750ml
コスタ・デッレ・ヴィオレ/2015
価格|PRICE ¥3,850
購入数: 個|UNIT
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