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ピニョーロ リゼルヴァ/2011

テイスティング内容
プラム、桃、杉、ミルクチョコレート、コーヒー、ドライハーブなどの香りが飛びかかってくるような感覚。とにかくアグレッシブで魅惑的なアロマに打ち抜かれます。グラスで時間が経つと、肉(薫製ベーコン)、干しイチジクのような独特の要素が現れ、向き合えば向き合う程様々な表情が現れます。
モスキオーニのワインの中で間違いなく一番美味しい。ピニョーロ特有の暴力的なタンニンとそれに負けない濃厚で旨味が凝縮した甘い果実が口の中でせめぎ合います。とにかく強いのにエレガントにも思える優美で長い余韻を最後に感じる。想像を超えた美味しさと凶暴性に心を奪われます。

ワイナリー詳細
モスキオーニ

フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウヴェネ県チヴィダーレ・デル・フリウリにワイナリーを構えるモスキオーニ。創立は1900年頃にもさかのぼり、非常に歴史のあるワイナリーです。現当主のミケーレは1990年にワイナリーを引き継ぎ、現在は息子のヴァレンティーノと共に畑仕事と醸造を見ています。娘のサブリナも経理関係、顧客対応をしており、家族でワイナリーを切り盛りしています。

世界の白ワインの中でも最高峰と名高いフリウリで、モスキオーニは土着品種を使用した赤ワインのみを生産する珍しいワイナリーです。彼等はとても高いポテンシャルを誇る土着品種「ピニョーロ」を所有しています。ピニョーロは20年前くらいまではモスキオーニを含めて3蔵しか所有者がいなかった超希少品種です。古いピニョーロで樹齢100年になる古木もあります。

所有する畑は標高150m、南東向きの土地に約14ha。4つの畑に分かれており、仕立ては全てグイヨ。除草剤や乾燥剤等、化学薬品を一切使用せず無農薬栽培を実践。畑に悪影響を及ぼす機械等は一切使用しないという一貫した考えを持っており、2014年にはビオロジックの認証を取得。ブドウに含有する命(酵母)を活かすように心がけています。

収穫までの工程は全て手作業で行われ、ブドウは例年、9月中旬〜10月終りにかけて収穫されます。収穫量を制限して1つの枝から1キロ以上は収穫しないという徹底ぶりです。

収穫後にブドウは軽いアパッシメントを行います。風通しの良い部屋の小箱の中で、追熟させながら5〜12日間おき、2〜3%ほど水分を飛ばしワインに力強い果実実をもたらします。この考えはヴェネトのワインの巨匠「ダルフォルノ・ロマーノ」にワイン造りを学んだことがきっかけだったそうです。

追熟後にプレスされた果汁は、6000リットルの開放型大樽に移され、自然酵母により自然発酵。温度コントロールは行わずあくまで自然にワインは醸されます。収穫の遅さから、11月に入ってから発行を開始するワインもあり、温度コントロール無しの自然発酵は非常に難しいですが、カンティーナの壁の内側に温水を流す事により極端に室内が冷えないように工夫をしています。
マセラシオン中の「フォラトゥーラ」(櫂入れ、発酵によって浮き上がった果帽を突き壊し攪拌)は手作業で行われます。この作業はかなりの力を必要とし、非常に大変な作業ですが、こうすることでワインのガス抜き呼吸を自身の感覚で行うことができます。マセラシオンは18〜25日間の間(その年のブドウの状態や気候により変動)行い、翌春全てのワインでマロラティック発酵を行います。So2はボトリング前のみ添加を行い、最低限の量に抑えられています。

モスキオーニのワインはミケーレ曰く「ボルドレーゼ」だと言っています。個性豊かなフリウリ土着品種を用いて堅牢なタンニンを有するフルボディのワインを造ります。全てのワインは大樽内で最低3年間熟成され、その後ノンフィルターで瓶詰め、瓶内でも最低2年間の熟成を行ってからリリースされます。トータルで5年間という長い熟成期間ではありますが、彼のワインはその熟成ですらまだまだと言わんばかりのパワフルな果実実とタンニンを有しており、そのポテンシャルは計り知れません。一般的なボルドーワインとの決定的な違いは彼のワインはナチュラルに造られているという点です。大きなスケールを持ちつつどこか気取らない素朴な美味しさを感じるのは自然酵母による畑の情報の抽出によるものだと考えられますし、亜硫酸の添加も彼の考える最低限の量に抑えられている為、嫌な固さはありません。
栽培品種は国際品種のカベルネ、メルロー、フリウリ土着品種のレフォスコ、スキオペッティーノ、タッツェレンゲ、そしてピニョーロです。モスキオーニのワインを語る上で絶対に外せないのがピニョーロ。この極上の黒葡萄品種最大の特徴は、「暴力的」とまで表現されるタンニンの強さ、それを包み込む濃密な果実味です。ボルドーではブレンドによりバランス、ワイン全体のクオリティーをあげていますが、ピニョーロは単体の品種で全て完成させていると言っても過言ではない素晴らしさを持っています。華やかで濃密な香り、アフターに押し寄せられるタンニンも、それに負けない果実味の充実感により爽快感すら感じます。熟成期間、完成度、品種の希少性などの理由から、決して安くはない価格ですが、フリウリの偉大な赤ワインとして是非飲んで頂きたいワインです。
白の名醸地において赤ワインで勝負するモスキオーニ、そのオーナーの人柄も非常に変わっています。とても陽気で明るく、どこか子供っぽさを感じるユニークな男。偉大なワインと呼べるモスキオーニのワインのテイスティング時も、いつも楽しそうによく喋り、ニコニコとしていました。彼はアンティークや歴史あるものが大好きで、家具や器具にも強いこだわりを持っています。テイスティング途中から自慢のBerkelのスライサーを使い、エプロン姿でサンダニエーレ生ハムを鼻唄を歌いながらスライスしてくれます。フリウリという底の無いワイン産地の偉大さとその中で至って陽気にマイペースにふるまうミケーレを見て、そのギャップもまたモスキオーニの魅力だとおもいました。

こだわり
モスキオーニの畑で栽培される品種の中で最も重要な品種といえるピニョーロ100%で造られた最上級のワイン。樹齢の高いブドウで100年の古木。10月初旬〜中旬にかけて少し遅積みで収穫。開放式大樽内で天然酵母による発酵。新樽で1年、その後スロヴェニア産大樽で1年、ステンレスタンクで1年熟成。無清澄、ノンフィルターでボトリングしてさらに瓶内で最低2年間熟成してからリリースされます。モスキオーニのワインで最も暴力的な驚愕のワイン。

ヴィンテージ 2011
タイ プ
生産国/生産地 イタリア,フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州
ワイナリー/生産地域 モスキオーニ
ブドウ品種 ピニョーロ100% 
アルコール度数 15%
容量 750ml
ピニョーロ リゼルヴァ/2011
価格|PRICE ¥11,000
購入数: 個|UNIT
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